きのーは

広島市映像文化ライブラリーで「竹工芸 飯塚小かん斎」というフィルムを見に行ってきました。
飯塚小かん斎氏は竹工芸の国指定重要無形文化財保持者(いわゆる人間国宝)で,緻密な作品で知られています。

私はどちらかというと彼の父,飯塚琅かん斎氏の作品のほうが好きなのですが,こんな機会は滅多にないので,また命がけでバイクに乗って市内中心部まで走ってきました(^^;)。

「私はロウカンサイのほうが好きなんだけどね~。彼の作品の持つ荒々しさや力強さを息子のショウカンサイは超えられなかったと思う。やっぱりロウカンサイって天才だよね~」などとマニアックなことを考えながら放映が始まるのを待っていたのですが。いざ始まってみると

………いやもうすごいのなんのって……(;´Д`)ハァハァ
いきなり”氷裂編み”なんてものが出てくるの。ひょ~~れつあみぃぃ??なんじゃーそりゃー
あえて説明するなら乱れ編みみたいなもの?底部分は星型で,あとは竹をギリギリいわせながら押さえつけて丸め込んでいました。
フィルムは彼の代表作「束編松葉文白サビ花籃」を,作品の構想を練るところから始まって,最後の縁の仕上げまでを紹介してました。
今まで何がどうなっているのやらさっぱりわからなかった複雑怪奇としか言いようのない作品の底部分から側面のつなぎの部分,縁の仕上げの構造など,かなり解明されたので非常に貴重な経験でした。

途中,あじろ編みの設計図が出ていたのですが,やっぱり作られてましたよ……設計図…。
多分マス目5ミリくらいの方眼紙に,びっちりと唐草模様の設計図がドット絵のごとく記入されていました。ひ,ひ,ひえ~~~~…

側面のござ目編みみたいなところは,ぢつは1.5mmくらいに裂かれた竹ひごで松葉編みされていて,多分直径30センチくらいの壷を50~60段くらいはそれで編んでます。しかも作業が進むにつれ松葉を編む竹ひごをさらに細くし,多分1mmくらい,厚さは確か0.5ミリと言っていたような…(;´Д`)。

ちなみに当然竹なので,途中で「ボキッ」となったら最後です(爆)。
編む前の,竹からの素材作りにも数ヶ月かけているのを考えると,父のロウカンサイが作品最大の難所になったら念仏を唱えながら曲げていた…という話を聞いて妙に納得しました。

フィルムには彼の父,ロウカンサイの話もちょこっと出てきて,息子のショウカンサイの作品を
「じ~~~~…」っとしばらく眺めた後,すくっと立ち上がってジャンプし,二本足で踏み潰した話は強烈でした。素材を作るところからはじまって数ヶ月…多分十分美しかったであろう作品を…踏み潰すか,フツー…( ̄▽ ̄;)。
今思うに,竹というものに命をかけてないとできない話だわ…。あぁいつか自分も紙ひもでやってみよう。

あぁ,しかしこれ,ハイビジョンで見たかったな~~~…

ちなみに今,これを書くのに飯塚小かん斎氏について調べていたら,なんと昨年の9月に逝去されていたことを知る。
変な話ですが,なんだか泣きたくなりました。
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Commented by しゅしゅ at 2006-11-17 07:40 x
いや~、わたしもそのフイルムを見せていただいたような緊張感を感じました。
同じ時代に生きているってことを有り難いと感じる事がありますね。(直接的に知り合いではなくても)
つい昨年までご存命であったなんて、残念なお気持ちお察しします。
わたし、来年お会いできたらお話しようと思ってた方が(その時は顔と名前が一致せず気づかなかったんです・・・)、翌年のイベントには参加されず(亡くなってて)とても残念だったことがあります。
Commented by さとか at 2006-11-17 10:51 x
>しゅしゅさん
つい先日も漆芸の人間国宝,塩多慶四郎氏が逝去されたと聞いて大変残念に思っていた矢先だったので余計にそう思ったのかもしれません。
作品は残りますが,人間は…
生きていたらこれから先,どんな作品を作り続けていたんだろう…なんて思うと,漆の神様・松田権六氏などはあと500年くらい生きていてほしかった…なんて本気で思ってしまいます。

お会いできないままにさらぬわかれが訪れるというのは辛いですね。
やっぱり生きているうちに会いたい人にあって,行きたいところにいって,やりたいことをやらなくちゃ,ね。

世中にさらぬわかれのなくもがな千世もといのる人のこのため
Commented by まゆみ at 2006-11-17 14:51 x
こんにちは。いつも私のHPに書き込みしてくださって、ありがとうございます。
さとかさんは、すごいものを見て来られたんですね。そのフィルム私も見てみたかったです。
さとかさんは、竹工の世界にも造詣が深いんですね。
これからも紙紐の可能性を探究していかれることと思います。どんな作品を産み出されるのか、楽しみです。また目を楽しませてくださいね。
Commented by さとか at 2006-11-17 21:43 x
>まゆみさん
わわ,まゆみさん書き込みありがとうございます!
このフィルムは本当にすごかったですよ。まゆみさんにもお見せしたかった~…。
フィルムの前半,彼の作品が何点か写っていたのですが,そのなかの作品のひとつは幅1ミリくらいの細さで編まれた花ますあじろ…。思わず「ひっ…」と声を出してしまいました(^^;)。
多分竹の厚さは0.5ミリ以下,しかも0.1ミリ単位で幅を揃えていないと絶対できないはずです。すごい技ですよね,本当に…。
竹工芸品は本当に奥が深くて,ただもう美しいです。眺めていると「他には何もいらないからこんなに美しい作品が作りたい」と胸を焼かれるような思いがします。

紙ひもの可能性…これからも広がっていけばいいのですが。
染色,漆芸,金工,截金…まだまだ勉強しなくちゃいけないことがたくさんありすぎてどれから手をつければいいのやら状態です(笑)。
Commented by 幸雲 at 2006-11-17 23:17 x
本当に、竹工芸の世界は奥が深いというか、始めて「竹工芸品」を見た時には衝撃を受けました。これが竹なのか!と。私は竹籠を作れるようになりたいと習い始めました。ところが、私が作ろうとしていた籠は、ほんの入り口でした。その奥には果てしない大海が拡がっていたという印象です。さとかさんがご覧になったような記録映像は私もできるかぎり見てみたいです。達人の手のさばきを少しでも盗んでみたいです。

竹の籠を作るときに重要なのはヒゴの作りです。編みよりも材料を作るのが大変で、その出来具合が籠の出来具合に影響します。私はその材料作りがなかなか出来なくて、苦労しています。まだまだ、竹工芸の大海の波打ち際で遊んでいる程度ですね(^^;)
Commented by satoka07 at 2006-11-18 20:09
>幸雲さん
以前デジタルBSの「シリーズ人間国宝」(←ご覧になられました?)で早川尚古斎氏が「3年間はただ素材作りだけをやってもらうことになるといったら…なかなか後継者も…」みたいなことをおっしゃってたのを思い出しました。素材作り,やっぱり相当難しいものなのですね。
先日見たフィルムでも,竹によって弾力性,強度などが違うので,ひとつの作品には一本の竹から作るらしいです。他の竹を混ぜるとなんか違うらしい…。あの大振りな花篭も一本の竹を極限まで裂いて作ってました。底から腰の立ち上げの部分は5ミリくらいの竹ひごを束にまとめてねじって編んでいるのですが,その長さ,3メートル。束をばっさばっさと操ってましたが,途中でどっかをひっかけてボキッとなったらその段階でアウト…。なんだか横で見ているだけでも胃が痛くなりそうな…(^^;)。
Commented by 幸雲 at 2006-11-18 22:06 x
デジタルBSの早川尚古斎氏の番組は偶然、義理の妹の家に遊びに行っている時にやっていましてDVDに録画してもらいました。しかし、我が家にある”すご録”では再生が出来なくて、結局また妹宅へ遊びに行ったときに見ました。メモをとって見ればよかったと思う番組でした。

実際にやってみれば分かりますが、細く同じ厚みや幅で割ることが難しいのです。何メートルものヒゴをつくるならなおさらです。私が作っているような基本的な籠もヒゴがうまくできたら完成したようなものです。教室でヒゴを買って作った物と、自分で作ったものだったらやはり自分でヒゴを作った物の方が稚拙になってしまいます。
Commented by さとか at 2006-11-19 09:48 x
>幸雲さん
すご録か~,それは残念でしたね( ̄▽ ̄;)。あの番組は私の知っている限りでは過去3回放映されていて,私も3回目の時に録画しました(笑)。あの番組を見て私の人生変わったかもしれません。

竹ひご作り,実際にやってみたい…。でも簡単に家でやれるものじゃないし,そうそう教えてもらうところもないし…ということで,未だ竹工芸は手をつけたことがありません。近所に竹やぶはあるんですけどね~~。
自分で自由自在に竹を割り,思うように作品が作れるようになったら本当に楽しいだろうな…。私は天ぷらを入れるかごを作りたい~~(爆)。
Commented by さとか at 2006-11-19 09:59 x
おっとそうそう,言い忘れ。
その近所の竹やぶとは違うのですが,以前ぷらぷらと歩いているとき,ものすごく立派な竹が生えているところが神社の近くにありました。
多分,あれを「マダケ」と言うんでしょうね。目にも鮮やかな緑で,太く,どっしりとしていて…本当に美しい竹でした。
見ると林のほうの端っこのほうが何本かがナタで切り取られていたのですが,誰かが何かに使ったのかなぁ…。今でもちょっと気になっています(^^;)。
Commented by 幸雲 at 2006-11-22 08:12 x
私も妻から、そのうち天ぷら籠を作ってと言われています。
Commented by さとか at 2006-11-22 08:48 x
>幸雲さん
主婦の夢,天ぷらかご…( ̄▽ ̄)。
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by satoka07 | 2006-11-16 08:39 | Comments(11)

手芸用の紙バンドで日々作っています


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