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膠の実験(その3)

というわけで,実験の結果とまとめです。

◆ 木工用ボンドと比較した場合の接着力の比較

こちらは,濃い膠液を使って,以下のように三種類作って比較してみました。
膠の実験(その3)_b0025301_810313.jpg

・ 木工用ボンド
・ 膠液1(湯煎にかけて膠を溶かした後,すぐに使用した場合)
・ 膠液2(1を一日置いて完全に固まった後,再び湯煎で溶かして再利用した場合)

この状態で24時間(膠液2は12時間)放置。

【固まる時間は?】

24時間後,ぺりっと手で剥がしてみました。


どれも…難なく剥がせました(爆)。

最初,力を込めていたのですが…想像よりもずっと簡単に…スカッと。

膠の実験(その3)_b0025301_863970.jpg


はっきり言ってこれは……接着していません
紙バンドに膠液が全く浸透していない。

ただちょっと意外だったのですが,木工用ボンドと接着力は似たようなものでした。
木工用ボンドだったらもう少し剥がすのに力がいるかな??と思っていたのですが,これくらいの木工用ボンドの量だったら,こちらもあっけなく剥がせました。

ただ,クラフトの作業が続けられる程度まで接着する時間は,木工用ボンドの方が断然早かったです。


【ビーズなどが膠で紙バンドに接着できる?】
濃い膠液,木工用ボンドを原液のまま塗布後,ビーズを上からふりかけて放置。

膠の実験(その3)_b0025301_814296.jpg

両方共よく接着しています。
表面のビーズを指でガリガリやっても,かなり力を入れない限りとれませんでした。
膠の実験(その3)_b0025301_824755.jpg

ただ…この写真でわかるかな?
膠の方は,うすい黄色が乗ってしまいました。
使用した紙バンドは兎屋さんの「すみ」なのですが,黒系でもやっぱわかっちゃいますね~。

◆ 膠を全体的に塗った時の表面の変化と強度

【ニス代わりになったり,強度の補強にならないか?】
膠の実験(その3)_b0025301_8285493.jpg


薄い膠液を全体的に塗布した場合は,色もわからなかったです。
でも…光沢もほとんどみられない(^^;)。
光沢ならボンドのほうがずっと光沢がありました。水性アクリルニスと同じくらい。

で,強度は「すこぉぉぉし,強くなった…?」くらいかな…(^^;)。
石畳編みの時の,水通ししたくらいと同程度の強度かも。


というわけで…結論。

今のところ…とりあえず,ニカワを使ってこのクラフトをする必要性は感じませんでした。
ま,一度は膠というものを実際に体験したかったので,それはそれでよかったのですが。


【オマケ】
膠の実験(その3)_b0025301_8403626.jpg

で,こちらは二日目の余った膠で作ってみた小さい小物入れです。
ここまで作ったらボンドが尽きました。
相当大変だったのですが,作れないことは…なかったですよ(^^;)。
で,二日目のほうが接着する時間が短かったです。
接着力も強い感じ。
水のとき方,温度の管理…もう少し研究すれば,木工用ボンド並に…使える接着剤かもしれません。

膠の実験(その3)_b0025301_9285183.jpg

残り,木工用ボンドで最終的に仕上げたもの。
ちょっぴりカントリー風に。
膠の実験(その3)_b0025301_9292339.jpg

コーヒーフレッシュ入れとして家で使う予定。
あーしかしほんと,今回の実験は相当疲れました_| ̄|○。
何気にあまり収穫もなかったし。

…ま,珈琲でも飲んで…次,頑張りますか…(笑)。
Commented by まゆ at 2010-03-25 11:08 x
膠実験お疲れ様。
読んでいる私は楽しかったですよ^^
ただ、やっぱクラフトバンドには使えないんですね。
売っているところも見たことないかも?
このカントリー調の籠のふち。素敵~
~~~■P o(^- ^)コーヒードウゾ
Commented by satoka07 at 2010-03-25 15:01
>まゆさん
あ,コーヒーありがとうございます。
   _, ._
  ( ゚ Д゚)   イタダキマス
  ( つ旦O
  と_)_)

ん~,なにせ初めてだったので,全然見当というものがつかなくて…(^^;)。
次回,もしも扱うことがあったらもう少し勝手がわかると思うのですが…多分もうないです(笑)。
久しぶりにカントリー調…。ナチュラルを使って何か作のは数年ぶりかもしれません(^^;)。これだけは楽しかったです…(笑)。
Commented by よねりん at 2010-03-25 17:26 x
久々のさとかさんの実験、楽しく読ませていただきました~(^O^)/
結構好きなんですよね、この実験シリーズ♪
膠、最初は漢字も読めなかったよ…(-_-;)
で膠と言うものがこんな状態のもので売られているっていうのも初めて見ました
実験お疲れさまでした~
ゆっくりコーヒー飲んじゃってください( ^^) _旦~~

さとかさんのカントリー調の作品、かなり久々に見ました^m^
こっちも私には嬉しい収穫だわ♪♪
Commented by satoka07 at 2010-03-25 19:29
>よねりんさん
はい,本当に久しぶりに実験しました(^^;)。
膠…さすがに一筋縄ではいかなかったですORZ。
膠は多分どこの東急ハンズでも売られているんじゃないかな?あと,大きいホームセンターとか。
日本画では必ず使うし,木工芸でもよく使われるものなので,そんなに珍しいものではないかなと思います。

…うん,私のカントリーテイストの作品よりかずっとメジャーなはずです,はい(笑)。
  _, ._
  ( ゚ ◎゚)   ズズ…
  ( ゙ノ ヾ
  と_)_)
Commented by なちふる at 2010-03-26 23:11 x
お久しぶりです

さとかサンの実験レポードだっ好き(≧∇≦)


私も実験したい貼りつけ
材料あるんですけど
なかなか実行出来ずにいてます(^o^;

ちなみに…
貼りつけ材料は続飯です
Commented by ウィッシュママ at 2010-03-27 13:12 x
すげ!すごすぎぃ~! @0@/
いつも感動をありがとう!!!!!
Commented by satoka07 at 2010-03-27 20:17
>なちふるさん
続飯(そくい)!!!
膠よりか…手に入りやすいというか,今すぐやろうと思えばできるような気が…(笑)。
でもすごいですね,あのグーグル様でも…画像検索に一件もヒットしませんでした。
日本刀の保存などに使われるみたいですね。
ならば日本刀関係の本を読みあさると続飯の作り方も出てくるかもしれません。

今回の実験をしてみて,改めて思ったのは…
『接着するとはなんだろう?』ということでした。
接着する力は…膠も木工用ボンドも…似たようなものだったんですよ。乾燥後1~2日だと。
ならば膠でもいいじゃんか…と言えるのですが,接着するというのは,固定される時間も非常に大切なんだなと。思いました。
普通にクラフトをするためには…木工用ボンド並にすぐに接着されないと使えない。

その論理でいくと…膠よりか続飯のほうが…使えるかもしれませんよ??(笑)
よかったらぜひ一度,続飯でチャレンジしてみてください…(笑)。
Commented by satoka07 at 2010-03-27 20:19
>ウィッシュままさん
いえわたしもウィッシュままさんのブログ,いつも感動しながら拝見させてもらってますよ(^^)。

…いつもROMばかりしてますが。すいません…_| ̄|○。
Commented by epo at 2010-03-27 22:42 x
すご~い!!実験くん!探究心、見習わなきゃっ。

そして意外な(?)カントリーテイストの籠に思わずにやけてしまいました。
かわいい~。お日様がものすごく好きです、、、。

Commented by けろぴ at 2010-03-27 23:46 x
おぉ!久々のさとかさん実験!

意外だったのが、膠と木工用ボンドとの接着具合。
木工用ボンド・・・私は速乾タイプを使っているのですが・・・、
結構外す時に力がいって、はがした後も半分表面がはがれたように
なるのですが・・・??
さとかさんがあっけなくはがせたのは・・・なんででしょ?

膠は弓などの接着に使われていますよね。
湿気などを考えると木工用ボンドより経年劣化が少ないのかも
しれませんね。

膠は元々少し色があるので、濃く塗ると紙バンドに色が移ってしまう
のは、やっぱり仕方ないですね~。
Commented by satoka07 at 2010-03-28 13:57
>epoさん
この膠の実験は2~3年前からずっとやってみたくて…ようやく今頃やってます(笑)。
下調べに時間がかかるんですよね~(^^;)。あと実験の段取りと。

カントリーテイスト…何年振りに作ったんだろ…(爆)。
ましてや追いかけ編みのカントリー調のかごとか…記憶にないくらい作ってないです(おぃ)。
Commented by satoka07 at 2010-03-28 14:09
>けろぴさん
私は今回速乾性じゃないものを使いました。
でも,一度やってみるとわかると思うけど,これくらいの接着面で,1日放置くらいだったら…意外と簡単に剥がすことができました。しかも今まだ寒いし。
これが2~3日たつと,ガッチガチに固まってもっと剥がすのが大変になるのですが…。

膠は楽器の接着にも使われるのですが,熱を加えると簡単に剥がせるという利点があります。
これが木工用ボンドだと木部を痛めることなく剥がすことができない。

ほんと…「接着する」ということって…意外と奥が深いんだなぁと今回の実験で思いました。
単にくっつけばいいっていうもんじゃないのね…。
Commented by at 2010-04-05 11:34 x
相変わらず興味の尽きない事ですね。私も”興味は力”だと思っていますよ。出張先でこの記事を読みましたが、疲れていたので今日コメント入れますね。膠・・・・・伝統の接着剤ですね。私は学生時代林学科で専攻は木材加工でした。で内容はと言えばパルプと接着剤だったのですよ。で紙の道に入ったのですが、接着の方はあまり知りません。紙バンドは表面にポバール糊が付いているので、木工用ボンドは性能・相性とも良い材料ですね。紙バンドは紙が接着するのではなく、ポバール糊が接着すると考えて下さい。この場合は紙バンド=紙ではありません。因みにウチでは速乾性のボンドを推薦してますよ。
Commented by satoka07 at 2010-04-07 13:27
>兎さん
出張,お疲れ様です。
兎さんは木材加工を専攻されていたんですか!
ポバール糊…なるほど。
私も,接着実験をしながら,「この表面につかないっていうことは,もしかしたら紙ヤスリで表面を削ったら接着するんじゃないか?」と思っていました。
ただ,実際にクラフトの作業をするときに接着部分にヤスリをかけるというのは現実的でないので実験はしなかったのですが…。

速乾性ボンドを推薦かぁ…。
私は通常は速乾じゃないボンドを使っています。
で,早く,強力に固定したいときだけ速乾性…と,使い分けています。
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by satoka07 | 2010-03-24 20:32 | いろいろ実験 | Comments(14)

手芸用の紙バンドで日々作っています


by さとか